蒸し暑い日が続いていますね。こうした時期には、熱中症対策が欠かせません(理科の入試でも、熱中症に関する話題はよく出題されますよ!)。ところで、“体”だけでなく“脳”も熱の影響を受けやすいことをご存じでしょうか。熱中症といえば、めまいや吐き気など体の不調を思い浮かべるかもしれませんが、実は脳も熱に弱いのです。
暑さに加え、集中して勉強をしたり、テストの緊張でプレッシャーを感じたりすると、脳は大量のエネルギーを消費し、内部で熱がこもりやすくなります。その結果、頭がぼんやりしたり、のぼせたような感覚に陥ったりすることがあります。たとえば、計算ミスが増える、問題文が頭に入ってこない、わかっていた答えが思い出せない――そんな経験があれば、それは“脳の過熱状態”のサインかもしれません。頑張っているつもりでも、パフォーマンスがガクッと落ちてしまう原因になります。
ですから、「適切な室温の維持」は、脳のコンディションを整える上でとても大切です。思えば、希学園でも夏場は冷房がかなり強めに効いています。これは決して、暑がりの先生たちのわがままではなく(笑)、「脳の熱暴走」を防ぐための環境づくりなのですね。とはいえ、強い冷房に寒そうにしている生徒を見ると、心苦しくなることもあります。一方で、温度を少し上げれば「暑い!」とすぐに(主に男子が)さまざまな衣服を脱ぎ始める……。こうして毎年、“寒がり派”と“暑がり派”による静かな攻防戦が繰り広げられます。快適な学習環境とは、こうした微妙なバランスの上に成り立っているのですね。
そして、もうひとつ忘れてはならないのが「睡眠」です。脳にとって、睡眠は“充電”どころか“再起動”にあたります。私は仕事柄、パソコンの修理をすることもよくあるのですが(ちなみにパソコンを壊す先生はだいたい決まっています。誰だかぜひ予想してみてくださいね)、定期的に電源を落とさないと暴走するのは、パソコンも人間の脳も同じなのです。特に6年生ですが、「夜遅くまで勉強している」という声を耳にすると、つい心配になります。頑張りすぎて“フリーズ”してしまう前に、毎晩きちんと脳を再起動してあげましょう。サイボーグ的な生活を送っている私が言っても説得力がありませんが、学習の質を高めるためにも、「休む勇気」はとても大切です。
ちなみにここまでの文章、脳機能の検証を兼ねてあえて屋外で書いてみましたが、このままでは脳がスープになりそうでした(気温32度)。そんなわけで、この夏期講習は気持ち「極寒モード」で、皆さんが集中しやすい環境を整えます。“寒がり派”の方は防寒対策もお忘れなく。
脳をよい状態に保てれば、それだけ学習の質もぐっと上がります。この夏は睡眠を大事にしながら、勉強と同じくらい、自分自身の“脳の温度”にも、ぜひ気を配ってみてくださいね。