のぞみの広場

虫歯の歴史

No.130
希学園 社会科 山田 隆徳

私はしばらく腰痛に悩まされているので、今回のテーマは「腰痛の歴史」にしようかと考えましたが、小学生に腰痛についてお話ししてもなぁ、、、とテーマを変えることにしました。私の友人が最近虫歯で苦しんでおり、みなさんの中にも同様の悩みを抱えている人もいるのではと思い、今回は「虫歯の歴史」にします。

 

希学園では5年生から歴史を勉強します。今から1万年以上前の時代を縄文時代といいます。おどろいたことに、縄文人には意外と虫歯が多いのです。なんと、約40%の人が虫歯になっていたといいます。外国の狩猟や漁労民族には、ほとんど虫歯がありません。日本の縄文人は同じように生活をしていたはずなのに、虫歯が多いのはなぜでしょうか。

 

人間があまい物を好むのは本能的なもので、人類は誕生以来さまざまなあまい物を食べてきました。果実類はもっとも手に入れやすいもののひとつであったでしょう。また、自然にできる甘いものとしては蜂蜜もありますね。スペインのバレンシアにある石器時代の洞窟には、女性がつぼのようなものをもって、蜂蜜をとっている様子をきざみこんだ壁画(洞窟の壁にきざんだり、かいたりした絵)が残っています。これは、今から1万年以上も前のものです。

 

しかし、蜂蜜などの甘いもの以外からも、糖分をとることができます。ごはんやパンをゆっくり噛んでいるうちに甘くなってくるのを経験したことがありますか? 本当? と思う人はやってみてください。ごはんやパンにはデンプン質が多く、デンプン質は糖に変わるのです。

 

縄文人の主食は、ドングリなどの木の実、副食物は動物や魚、貝などだったようです。木の実にはデンプン質の多いものも多いので、これも虫歯の原因候補になります。デンプン質の木の実、甘い果実、それに動物の肉や魚などを、上手に料理したり、加工したりして、たくさん食べていたために虫歯が多かったのではと考えることができます。

 

虫歯の最大の敵は、デンプン質を大量にとることです。縄文時代の次の弥生時代になると、米などを主食にするようになり、さらに多くのデンプン質をとるようになったため、虫歯におかされやすくなったのだろうと考えられています。弥生人のうち、なんと80%が虫歯におかされていたのです。ちなみに、現在の日本人の大人の90%以上が虫歯経験者というデータがあります。弥生人は今とそれほど変わらないくらい虫歯が多かったことが分かりますね。

 

では、虫歯にならないようにするためには、デンプン質をとらないようにすれば良いのでしょうか? 一見もっともな考え方に見えますが、決して実行しないでくださいね。デンプン質は、みなさんの成長に欠かせない、重要なエネルギー源です。みなさんの体を、脳を、デンプン質がつくります。いろんな栄養素をバランス良くとることが大事です。

 

虫歯にならないようにするためには?、、、そう、まずは歯磨きですね。
君たちは虫歯になっていませんか。
食後の歯磨きをしっかり行いましょうね。
私も気をつけないと、、、今月も定期検診に行ってきます。

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