のぞみの広場

算数の未来やいかに!

No.70
希学園 算数科講師 松森 克人
算数の未来やいかに!

 近年、AI(人工知能)についてのニュースが多くなってきているのをみなさんはご存じでしょうか?
 特に話題になったのは、1997年AIがチェスの世界チャンピオンを倒してしまった、というセンセーショナルなニュースに続き、2012年、2016年には将棋・囲碁といった世界でもとうとうAIが人間の世界チャンピオン級のメンバーを打ち破ってしまったことです。つまり、今の時代では特定のルールの中で戦うような世界では、もはや人間よりもAIが勝っていると言っても過言ではないのです。

 また最近の研究によると、メガネに小型カメラを搭載する事によって、視界に入った(小型カメラによって撮影された)計算式をAIが認識し、自動で計算して答えを出したり、視界に入った英語をAIが自動で認識し、日本語に翻訳したりすることができるようになってきているといいます。

 こういった話を聞いていると、
 AIが計算式を解いてくれるなら、人間が計算をしなくて良い!
 AIが英語を日本語に翻訳してくれるなら、人間が英語を勉強する必要もない!
  ……!
  ……勉強なんてしなくていいじゃないか! バンザイ!!
 と考えてしまいませんか?


 しかし、ちょっと待ってください。本当にそうでしょうか? AIができるようになった事というのは、あくまでも単純作業やルールの決まった特定の分野だけですよね?


 実は、似たような事はこれまでにもたくさん起きています。例えば、「移動する」のならば、人間が走るよりも車や電車の方がよっぽど優秀ですし、「大きな数の計算をする」のならば、人間が筆算するよりも電卓の方がよっぽどはやくて正確です。それでも、人間が勉強をする必要性はなくなったりはしていません。

 小型カメラが計算式や英語を認識するようになったのはもちろん大きな進歩ですが、AIが解く、その計算式を考えるのは……? AIが翻訳する、その英語を書くのは……?

 と考えていくと、実はAIがなんでもかんでも勉強の必要性をなくしてしまっているかというと、実はその逆なんですね。単純な作業はAIがやってくれます。では、そのAIをつくるのは? AIに単純なことをさせるため、人間はより高度に複雑なAIをつくる必要があるのです。つまり人間は、単純な作業の「ねっこ」の部分にある、より頭を使った複雑な作業をできるようになっていかなければならない、……そう、人間はこれからももっともっと勉強しなければならないのです!


とはいえ、いますぐにみなさんがAIをつくるような複雑な作業をするのは、たぶん少々無理があるでしょうね。車や電卓やAIが進化してきたように、みなさんも進化する必要があります。算数について言えば、まずは計算から、そして難しい問題へ。その先のその先のその先に、「AIをつくる」があります。希っ子の中にはきっと、将来はAIをつくっているような、そんな人が少なからずいるはずです!


 ……というわけで、みなさんはこれからも、より高いレベルを目指して算数をがんばっていきましょう!!

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