のぞみの広場

自由はつらいよ

No.87
希学園 国語科講師 川村 明寛

 今年の夏も暑い日が続きましたね。「はやく涼しくなってくれ……」と願う一方で、「夏ももう終わりか……」と、すこしさみしい気もしてくるわけで……なんとも勝手なものです。


 さて、この時期になると、あの“いまわしい”記憶がよみがえってきます。それは……


 「自由研究」。そう、「なんでもいいから自由に研究してネ」という、アレです。これにはいつも頭を悩まされました……。ほかの課題には何の苦労もありません。まあ、「めんどくさい……」という思いはありましたが、「えいやっ!」と動き始めてしまえば、あとはどうということはないんです。しかし……


 問題は、アレです。「自由」という名の“足かせ”。

 「自由に」と言われると、なんだか「斬新なアイデア」を求められているような気がしてしまうのですね。子どもの頃から創造性とは全く縁のなかった私にとって、これはたいへんツライものでした……。悩めども悩めども頭には何も浮かばず、いつも新学期直前になっていよいよ万事休す……とても「研究」とは言えないような陳腐なレポートを書いてごまかしていたのを、いまでもはっきりと憶えています……。


 何をやってもオッケーというわけではなく、だれかに「評価される」となると、うーん……、自分をかばうわけではありませんが、やはり「自由に~する」ほうが難しいんじゃないかなあという気がするのです。


 じゃあ、いま皆さんが取り組んでいる「受験勉強」はどっちなのか?

 100%とまでは言いませんが、その多くは「決められたことをその通りにする」ことなんだろうな、と思います。いわゆる「初見の問題」だって、「初めて見たような気がする」だけで、実際は「学習してきたことの組み合わせ」ですよね。


 むろん、だから、「かんたんだ」と言いたいのではありませんよ。そうではなくて、「才能で決まるわけではない、それだけ、努力し甲斐があるよね」、と言いたいのです。


 たとえば、国語の記述問題で、

 「なんでもいいから自由にあなたの意見を述べなさい」と問われたらどうしますか? スラスラ書けますか? 私なら間違いなく、頭をかかえて逃げだします(苦笑)。 でも、「文章全体をふまえて筆者の言いたいことをまとめなさい」と問われれば、どうでしょう。正しい方法(決められたこと)にそって、正しいトレーニングを積んでいれば、答えられますよね?

 だから、「受験」は、易しい……もとい、「優しい」世界なのだと思うのです。


 もうすぐ秋到来。涼しいアタマで「決められたことをコツコツ」こなしていきましょう。

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