のぞみの広場

新学年度のスタートにあたって

No.107
希学園 理事長 前田 卓郎


新年度を迎える皆さんに理事長から大事なお話です。


1.何のために、そして誰のために勉強をするのでしょうか?
この質問に対する答えを一言で言えば、自分のためであり、皆さんの周りの人々を幸福にするためということになると思います。
今、周りを見渡すと世界中が新しい感染症に苦しめられています。これらをすべて克服して人類が平和で幸福になるために力を結集することが必要です。その大きな力を生み出すために皆さんは一生懸命勉強しなければなりません。


2.では、どんなことを勉強するのでしょうか?
皆さんが希学園で学習する国語、算数、理科、社会について考えてみましょう。


「国語」の学力をしっかりと身につけなければ、いろいろな言葉で書かれてあることを理解し、自分の考えをまとめて周りの人々に伝えていくことはできません。また、人の気持ちを理解するには「言葉」の持つ意味を理解し、周りの人々へ自分の考えや気持ちを訴えていくために、「言葉」を基にした国語の力が絶対に必要なのです。


「算数」の学力を身につけておかなければ、広さを測ったり(面積)、大きさを求めたり(体積)することができず、ただ大きいとか小さいとしか物事を見ることができなくなってしまいます。物事を正しく人に伝えていくには数量的取り扱い(数字で表す作業)が必要なのです。この数量的取り扱いは「世界共通の言葉」です。さらに計算を考えても人の命に関わる大事な学習なのです。例えば橋やビルを建設するための設計をするとき、必ず地震などにも耐えられるように構造計算をするのですが、この計算を間違ってしまうと橋やビルなどの建物が壊れてたくさんの人の命が失われることになります。算数の計算の力、問題を解決する力はある意味では人の命に関わるとても重要な力なのです。


「理科」については皆さんはこの科学万能の21世紀を生きていますが、果たして科学は万能だったでしょうか。出来上がったものは必ずしも完璧なものでないということは、例えば東日本大震災において原子力発電所が事故を起こし多大な被害を与えたことを知っていると思います。理科の学習分野に関わる人間の知識が万全でなかったからこそ悲惨な事故に繋がったと考えるべきでしょう。理科とは人々が平和にそして便利な生活を受け続けるためにいろいろな原理や原則を発見していく、その基になる学習なのです。


「社会」では、世の中の出来事を理解し、そして自分の頭の中で考え、どのような社会を作り上げていかなければならないかをみんなで考えていく学習です。社会で起こっていることを無視すると世の中の人々を間違った未来へ導いていくかもしれません。そのようなことにならないように産業や地理、政治、歴史を学ぶことにより現実の社会において起こっていることに対して自分の考えをまとめて発信していく力をつけるためのとても重要な学習なのです。


3.最後に
皆さんが希学園で勉強をしていくときに、いろいろと苦しいことや辛いことが起こります。そのときに今、自分のやっていることが将来自分をはじめ、周りの人々のためになることをやっているのだという考えを思い返し、もう一歩頑張ってみようという気持ちになってもらいたいのです。このことを「克己」(自分の気持ちに打ち克つこと)という言葉にして皆さんに伝えておきます。「克己心」とは、自分が苦しい、辛い状況に置かれるとすぐに気持ちを弱くしてしまって怠惰な方向に流されてしまうかもしれません。そのとき、自分の気持ちに打ち克つ精神力(克己心)を日頃から作り上げておいてほしいのです。


私は皆さん「希っこ」は強い克己心を持った子どもたちの集まりであるといつも信じています。


さぁ、皆さん! 強い克己心を持った希っこの勉強のスタートのときがやってきました!
この感染症が拡がっている惨禍の中、未来を見つめてしっかりと学んでいってください。


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