のぞみの広場

「絶対」って何だろう?

No.108
希学園 社会科 棈松佑太
「絶対」って何だろう?

 今年の春は肌寒い日も多かったですが、ようやく気温も上がってきましたね。暖かくなってくると外で運動するのが好きな人も多いと思いますが、あべ松は大人になってからはもっぱらスポーツは「見る」専門になっています。(だから体型が……なんだよと思った人、その通りです。)
 特に好きなのは野球で、昨年はあべ松が応援しているチームが20年ぶりに日本一になりました。そして、チームの監督である高津監督が試合前に選手たちに対して発した「絶対大丈夫」という言葉は、昨年のプチ流行語になりました。
 あべ松も「きっと優勝できるはず!」と思っていましたが、一方でこんなことが頭をよぎりました。「高津監督は『絶対』と言っているけど、世の中に『絶対』なんてことがあるんだろうか……?」
 よくよく考えてみると、世の中に「絶対」と言えることはほとんどないような気がします。(「たくさん食べれば太る」も、大食いの人で太っていない人もいるから「絶対」ではないし……。)では、なぜ高津監督は「絶対」と言ったのでしょうか。
 そこで、高津監督がその話をした場面の動画を見てみました。すると、「絶対大丈夫」と言う前にこんな話をしていました。


 今から29年前の1993年(6年生なら「環境基本法がつくられた年だ!」とか「やませによる大冷害が起こった年だ!」とすぐ分かりましたね?)、高津監督は当時選手として、日本一が決まる最終戦を迎えていました。相手は昨年の日本一チーム、簡単に勝てる相手ではありません。その試合前、選手たちに厳しいことで有名だった野村監督がミーティングの最後にこんなことを言ったのです。「色々言ってきたけど結局、勝負は時の運や」と。厳しい野村監督がこんなことを言ったのでビックリしたそうですが、なぜ大事な試合の前にこんなことを言ったのでしょうか。
 当然、ただ幸運を祈るだけで何事も成功するわけではありません。しかし、選手たちは厳しい野村監督の下、一年間ひたすらハードなトレーニングを積んで、「やれることはすべてやってきた」のです。本番までに完璧な準備をしたら、もう、後はなるようにしかならないのです。(逆に言えば、やるべきことをやってきていないのに神頼みをしても仕方ないということですね。)プレッシャーを背負う必要もなく、ただ自分の全力を出し切る。それさえやってくれれば、一生懸命練習してきた君たちなら必ず勝てる、と野村監督は選手たちを信じていたのでしょう。


 「普段はスラスラ解けるのに、テスト本番になると緊張してなかなか思うように解けない……。」そう思っている人は少なくないと思います。でも、普段「やれることはすべてやってきた」と言い切れるほど取り組めていますか?
 そのような境地に達した時、すべてのプレッシャーを乗り越えて、「絶対大丈夫!」と自分自身を信じられることでしょう。努力に裏打ちされた自信は何事にも崩されません。そんな「絶対」の自信を皆さんも身につけてください。


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