のぞみの広場

少し手を伸ばせば

No.120
国語科 川村 明寛

 もうすぐ学校も新学年。塾では2月から新年度でしたが、ようやく新しい学年がしっくりくるようになるのでしょうね。この時期は、学習への気持ちを一新させる絶好のチャンスです。そこでひとつオススメしたいことが。それは、
 「目標設定」です。
 といっても、「苦手な理科をがんばる」とか、「計算のスピードを上げたい」とか、そういうことではなく(いや、そういうのでもいいのですが)、「数字」を掲げるのです。たとえば、「次の公開テストの国語で70点以上」とか、「社会の偏差値で50以上」と言う具合に。
 なぜ「数字」のほうがよいかというと、「達成できたかどうかがハッキリする」からです。達成できれば気分はいいでしょうし、自信がもてるようになるかもしれません。また、達成できなかったとしても「来月こそは!」とリベンジを誓えばよい。
 さらに、みなさんのやる気を「心地よい緊張感でキープ」させる方法があります。それは、
 「目標の共有」です。
 いくら数字の目標が有効だといっても「自分ひとりでひそかに」抱えていたら、いくらでもごまかせてしまいますよね。そこで、たとえば「家族全員がいつも目にする場所に掲示」してみてはどうでしょう。この目標は「宣言」としての意味を帯びてきます。「言ったことはその通りに実行したい、口先だけだとは思われたくない」というような意識が働いてくる。そうなればしめたものです。家族には「明るくプレッシャーをかけてもらう」ようにお願いしておきましょう。
 目標設定において、ひとつ気をつけてほしいことがあります。それは、
 「頑張れば達成できそうな数字にする」ということ。というのも、「無理して高すぎる目標を立てる」人がいるのです。これはオススメできません。「やる気が高まらない」からです。
 野球の守備の練習で「ノック」というのがあります。ボテボテのゴロを打ってあげても守備は上手になりませんが、かといって大谷選手みたいな特大のホームランを打ったらどうでしょう。守っている選手はグローブを伸ばそうともしませんよね。では、守備を上達させるにはどんなノックが理想なのか? 答えは「選手が『あともう少し手を伸ばせば取れる!』と思えるような球を打つ」なのだそうです。
 この話、実はある方から聴いた話の受け売りなんですが、「やる気を高める目標設定」の極意なのだろうなと思っています。
 というわけで、やる気を高めるために「頑張れば達成できそうな数字目標を家族と共有」する。
 紙とペンさえあればすぐにできます。ぜひ!

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