のぞみの広場

味噌汁によって地球温暖化が進む?

No.120
希学園 社会科 山田隆徳
味噌汁によって地球温暖化が進む?

さてさて、タイトルを読んで、すぐにその意味が理解できたでしょうか? (受験生のみなさんにはすぐわかってほしいですね)
 
皆さんはフードマイレージという考え方を知っていますか?
これは、食料品の輸入に関する環境への負荷をわかりやすく把握するための指標です。具体的には、ある食材について、運ばれた「距離」と「重さ」を掛け合わせたものです。つまり、運ばれた距離やその重量が大きいほど、その数字は大きくなりますが、その分、環境に負荷をかけている(たとえば地球温暖化を引き起こす二酸化炭素を多く排出している)とみなせます。同じ食材を使うにしても、なるべく近い国の、できれば国内産のものを使用すれば、フードマイレージは小さくなり、環境への負荷は小さくなります。
 
日本人のソウルフードともいえる味噌汁は、トータルで見ると、実は非常に大きなフードマイレージを持っています。日本における大豆の自給率は7%(2024年)で、その多くがアメリカやブラジル、カナダといった遠方から輸入したものです。味噌汁に欠かせない味噌は大豆がなくてはつくれませんし(味噌にも色々な種類がありますが)、豆腐も大豆からつくります。皆さんが味噌汁を飲んで、和食を楽しむたびに、海外産の大豆が次々と運ばれ、その過程で環境に負荷がかかっているのは皮肉なものですね。
 
そこで、近年、各地で地産地消の取り組みが進められています。地産地消とは、ある地域でつくられた作物をその地域で消費しようという考え方で、地産地消の取り組みを進めることで、フードマイレージを小さくして地球の環境を守ることができるとともに、食料自給率の向上も期待できます。
 
と、授業では教えます。
ただ、フードマイレージを活用する上で、気をつけるべき点があります。たとえば、フードマイレージは、輸送量と輸送距離で測られ、輸送手段は考慮されません。また、「輸送」に特化した指標であって、生産過程での環境負荷についても考慮されません。日本で冬場に野菜をつくるにはビニルハウスで暖房が必要になります。そのために必要な燃料の多くは海外から輸送されたものになります。
フードマイレージの強みと弱みを理解した上で、その指標を活用する必要があるということですね。
 
最近は味噌汁の専門店も増えてきています。
もし行く機会があれば原産地に注目し、考えてみましょう。

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