のぞみの広場

情けは人のためならず

No.89
希学園 算数科講師 岡田 大介

 みなさんは、「情けは人のためならず」の正しい意味をご存知ですよね。
 私はこの夏から右足の具合が悪く、夏期講習中からつえを、そしてついには松葉づえをついて通勤することになってしまいました。
 夏期講習中は、通勤ラッシュの電車に乗らなくてはなりませんでした。その際、優先席付近に着く前に電車が来てしまい普通座席の前に立つようなことになると、スマホから目をそらさずに気づかないふりをする人、ひどい場合は「座りたかったら優先席行けよ」と、ギリギリ聞こえるようにつぶやく人など、席をゆずってくれる人はまずいませんでした。
 では、優先席の前に立つ場合はどうだったかというと、それまでスマホを見ていた人がカバンにしまい、寝たふりを始めます。途中で座席が空いて座ることができると、寝たふりをしていた人はまたスマホいじりを始めます。
 私としては、席をゆずってくれたらうれしいですが、ゆずってもらえないことよりも、見て見ぬふりをされることや、普通に立っているだけで悪口を言われることに大変苦痛を感じました。
 そのようなときは「情けは人のためならず」を引き合いに、「私自身の周りに対する優しさが足りなかったから、いま優しくしてもらえないのだ」と思うようにしていました。
 みなさんはいかがですか? 周りの人に優しい行動を取っていますか?
 特に5年生・6年生は勉強にいそがしくストレスを感じたり、反抗期が始まったりで、保護者の方や先生などにきつい言葉を投げかけてしまう人もいることでしょう。
 しかし、一番身近でみなさんを支えてくれている保護者の方は、朝食やお弁当の用意、夜遅くのみなさんの帰宅から寝るまでの準備など、みなさんの受験勉強がなければ必要のなかった家事をして、一緒に歩んでくれています。そのような保護者の方に、みなさんは普段から感謝をしていますか?
 そういう感謝をすることで、周りの人のあなたを見る目も変わっていき、それがあなた自身の精神的な余裕を生み、不思議なことに、そうなると声をかけてくれる人も増えていきます。それが「情けは人のためならず」の流れだと思います。
 ちなみに9月以降は通勤ラッシュから解放され電車では座れることが増えましたが、足が治るまではしばらくかかりそうです。不自由は続きますが、ケガをしたからこそ見えてくる世の中の景色、感じること、考えることがあり、よい経験をしていると前向きに考えられるようになりました。
 人の行動は、「どこかで誰かがみている」と、言われることがあります。人に感謝し優しい行いをする人の方が、余裕があり周りが見えるので、自分が何をするべきか冷静に判断でき、結果として受験でも良い成績を収めることができると思います。「情けは人のためならず」を心のかたすみにおいて生活してもらえると、きっと良いことがありますよ。

タイトル一覧へ
お問い合わせ

受付時間 14:00-20:30

(土・日・祝日および各季節講習期間を除く)

各種お問い合わせ窓口はコチラ