のぞみの広場

くり返す このポリリズム

No.97
希学園 算数科講師 森本 弘

 「トン タッ タッ|トン タッ タッ|トン タッ タッ|……」
これを見たそこのアナタ。教室の中でなければ手でこれを叩いてみましょう。最初はゆっくりと、でもだんだん速く速く……1秒間に「トン タッ タッ」が1セット入るくらいで続けてみましょう。

 どうでしょう? 素敵なテンポができましたねー。ドイツの香りがする踊りの1つ、”ワルツ”の形になっているはずです。

 これを拍子で言うと「3拍子(びょうし)」と言います。3つを1セットにしたものですね。おっと、急に算数の話に近づいてしまいました。音楽の話に戻しましょう。


 「トン タッ|トン タッ|トン タッ|トン タッ|……」

 今度は「2拍子」ですね。叩いてみましょう。1秒間に「トン タッ」が1セット入るくらいのテンポは行進曲、”マーチ”などに使われています。学校で鼓笛隊に入っている人には馴染みがあるのではないでしょうか。


 今度は難しいですよ? 昔のすごい作曲家たちは、なんとこの2つの拍子を組み合わせることを考えたのです。

 組み合わせるとしたらどうしたら? 4年生以上の人たちはもう気づいていますね? 3と2の公倍数を使うのです。公倍数を知らない人は”3のだん”と”2のだん”で同じ数を探しましょう。そこには「6拍子」があります。叩いてみましょう!


 「トン タッ タッ|トン タッ タッ|トン タッ|トン タッ|トン タッ|……」


 テンポを変えずに、速めにこのセットをくり返してみましょう。譜例はコレです。

 面白いリズムになりませんか? 昔からある、2種類の拍子を組み合わせてできる新しい拍子を「ポリリズム」と呼んでいます(特に3拍子と2拍子の組み合わせは”ヘミオラ”と呼ばれます)。音楽が強い人は算数も強かったんですね。この「ポリリズム(ヘミオラ)」を使った曲で有名なのは、ミュージカル「ウエストサイドストーリー」中の「アメリカ」です。ぜひどこかで聞いてみてください。

 ということで、今回は音楽と算数のつながりをテーマに1つの例をお話ししました。これ以外にも色々な音楽で算数は使われているので、興味があれば探してみてくださいね。


 ちなみに、日本に古くからある曲にはほとんど3拍子が存在しません。これは日本語の音の並びが理由だと言われています。俳句などを見ると分かりやすいですが、その紹介はまたの機会に。

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