のぞみの広場

「感動させるということ」

No.129
算数科 森本 弘

 こんにちは! 森本です。さて突然ですが私は算数はもちろん好きですが音楽もまた好きで、ここ数年追いかけているものが、口から様々な音を出して音楽として表現する「ビートボックス」だったりします。近年はテレビでも取り上げられるほど盛り上がりを見せているビートボックスですが、なんとその世界大会が今年は東京で行われました。この文章はその素晴らしいステージをライブで見た直後、興奮の表彰式を前にしながら興奮したまま書いています。だから文章も興奮しています。お許しください。


 今回一番感動したのは2人対2人部門の3位決定戦。ここではふたつのチームが先攻後攻に分かれて2回ずつ1分半のパフォーマンスを見せ、どちらがすごかったのか審査員が決めていきます。

 先攻1回目の1分半、楽しい曲が流れる。次の後攻、なんと先攻の曲を一部コピーしてそこに自分たちの曲を重ねる! さらに先攻2回目! 後攻チームの持ちネタの曲をコピーして会場を盛り上がらせる! 最後に後攻! 先攻にコピーされた曲をオリジナルとして演奏する!

 結果的に試合は後攻チームの勝利となりました。いずれ動画が世の中に出るはずなので是非見てみてください。


 この試合で最も印象に残ったのは、それぞれのチームが相手の曲のコピーを出したときに会場が一番の大盛り上がりを見せたということです。曲のコピーというのは本来、「相手のものをいたずらに盗む」という悪いものではなく相手やその曲への尊敬の気持ちがあるから出る行動です。そうではない悪意あるやましいものは論外。いわゆる「オマージュを捧げる」です。特にこの試合では相手への尊敬の気持ちが強く出ていましたし、それが相手にも伝わっているように見えました。そうでなければ最後に後攻チームがオリジナルを見せたときに、先攻チームは試合としては圧倒的に不利なのにもかかわらずステージ上で満面の笑顔で踊ることはしないでしょう。

 ここまでが当日起きたことです(興奮しています)


 では何故この試合が感動的だったか、何故自分はこんなにも楽しかったのかを振り返ってみると、それはやはり出演者たちがステージを全力で楽しんでいたというのが一番大きいのかなと思います。彼らが楽しんでいるのを見てこちらも自然と盛り上がります。もちろん彼らがステージ上でファンのためにサービス精神全開で行動したというのもあるのでしょうが、今回はこの彼ら自身が楽しんでいたことが大きいでしょう。楽しませもするし、自身で楽しみもする。だから出演者も相手チームも観客も、「みんな」が楽しかった。

 さてこの楽しさ、体験してみたいですね。もちろん演者としてです。どうしたら実現できるのでしょうか?

 それには恐らく「自分が高めた技術」と「技術を共感できる仲間」が必要でしょう。難しい言葉にしてみましたが言い換えると「自分でがんばる」「みんなと一緒にがんばる」です。少し簡単になりましたか? 森本の小さな体験談で言えば、5年生のころに友達と「誰が一番速く歴史の用語を書けるか」競争をしたときは確かに仲間とやる楽しさがありました。音楽で先輩とピッタリ息の合った演奏ができたときもそうです。そんなときはいつも自分も楽しかったし参加したみんなも楽しんでいました。


 一人で愉しみ深める楽しさもありますが、仲間と刺激しあってスキルを高めていく快感はまた格別です。馴れ合いではない真の連帯感、一体感。今後中学や高校、大学と進んでいくうちにそういった仲間をもし見つけられたら、是非大事にしてください。「一緒にやろう」と言うのがきっかけです。今すでにそういった仲間が見つかっているのであればもちろん大事にしてください。仲間と一緒に楽しんでいる様子は必ず周りに良い影響を与えます。それが今回見たステージのように人を感動させるものを作り出せれば、と願います。高めて高めあったその結果、自分も相手も周りもみんなが楽しい。最高じゃないですか!(まだ興奮しています)

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